ローカルLLMはゲーミングPCで動く?決め手はGPUのVRAM【2026年版】
ChatGPTのような対話AIを、自分のPCの中だけで動かせる「ローカルLLM」。気になってはいるものの、手持ちのゲーミングPCや、これから買うPCで本当に動くのか分からない、という相談が増えています。
結論から言うと、今のゲーミングPCならローカルLLMは動きます。どのくらいの大きさのモデルを快適に動かせるかは、GPUに載っているメモリ「VRAM」の容量でほぼ決まります。
この記事のモデル容量は、Ollamaの公開ライブラリにある既定版(量子化済み)のダウンロード容量です。量子化の種類、会話の長さ、ツールの設定によって必要なVRAMは変わるため、表は目安として使ってください。速度(1秒あたりの生成文字数)は環境差が大きいため、数値では示していません。
この記事のポイント
- モデルがVRAMに収まればGPUだけで処理でき、あふれた分はメインメモリとCPUに回って遅くなる
- 目安はVRAM 8GBで8Bクラス、12GBで14Bクラス、16GBで20Bクラスまで
- ローカルLLMだけで比べるなら、RTX 5070(12GB)よりRTX 5060 Ti 16GBのほうが大きなモデルを載せられる
- モデルは1つで数GB〜20GBほど。SSDの空き容量も一緒に考える
結論:動く。サイズを決めるのはVRAM
ローカルLLMは、専用のサーバーがなくても家庭用のPCで動かせます。Windows向けの実行ツール「Ollama」は、NVIDIAとAMD RadeonのGPUに対応していると公式に案内しています。TITAN Gamingで扱っているRTX 50シリーズやRX 9000シリーズは、どちらもこの対象に入ります。
ただし「動く」と「快適に使える」は別の話です。ローカルLLMでは、モデル本体をGPUのVRAMに丸ごと載せられるかどうかで、返答の速さが大きく変わります。ゲームでは「GPUの処理性能」が主役ですが、ローカルLLMでは「どれだけ大きなモデルがVRAMに載るか」が最初の分かれ道です。
ローカルLLMとクラウドAIの違い
ChatGPTやGeminiのようなクラウドAIは、入力した文章をインターネット経由で事業者のサーバーへ送り、そこで処理しています。ローカルLLMは、公開されている言語モデルを自分のPCにダウンロードし、PCの中だけで処理します。
| 項目 | クラウドAI | ローカルLLM |
|---|---|---|
| 処理する場所 | 事業者のサーバー | 自分のPC |
| 入力内容の送信 | インターネット経由で送る | PCの外へ出さずに使える |
| 通信 | 常に必要 | モデルのダウンロード後は不要 |
| 費用 | 無料枠または月額 | PCの電気代のみ(ツールやモデルは無料公開のものが多い) |
| 賢さ | 最上位の大型モデルを使える | PCに載る大きさのモデルに限られる |
| 速さ | サーバー側の混雑次第 | PCのGPUとVRAM次第 |
社外に出したくない文章の要約、オフライン環境での下書き、プログラミングの補助、AIの仕組みを試す学習用などが、ローカルLLMの得意な場面です。一方で、最新情報の検索や、非常に高度な推論が必要な作業は、今もクラウドの大型モデルのほうが向いています。どちらか一方ではなく、使い分けるものと考えると失敗しません。
なぜVRAMが決め手になるのか
言語モデルは、文章を1文字ずつ生成するたびにモデル全体のデータを読み出します。このデータがGPU直結の高速なVRAMにあればGPUだけで処理できますが、VRAMに入りきらない分はメインメモリに置かれ、CPUも処理に加わります。その結果、返答が目に見えて遅くなります。
Ollamaでは、ollama ps というコマンドで、読み込んだモデルが「100% GPU」「100% CPU」、あるいはGPUとCPUに分割されているかを確認できます。「100% GPU」と表示される大きさのモデルを選ぶのが、快適に使うためのいちばん分かりやすい基準です。
モデル容量ぴったりのVRAMでは足りない
VRAMにはモデル本体に加えて、会話の文脈を保持する領域(コンテキスト)も必要です。Ollamaの既定では4096トークン分を確保し、長い文章を読ませるために設定を広げると、その分だけ必要なVRAMも増えます。さらにWindowsの画面表示にもVRAMは使われます。モデル容量に対して、1〜3GBほどの余裕を見ておくと安心です。
「8B」「14B」は大きさの目安
モデル名の「8B」や「14B」は、パラメーター数(80億、140億)を表します。数字が大きいほど賢くなる傾向があり、そのぶん容量も増えます。Ollamaで配布されている既定版は容量を小さくする「量子化」が施されていて、たとえばQwen3の8Bは5.2GB、14Bは9.3GBです。
VRAM別:収まるモデルの目安
Ollamaライブラリの既定版の容量をもとに、1〜3GBの余裕を見込んでVRAMに収まるかを整理しました。「一部あふれる」は動作はするものの、一部がCPU処理になり遅くなる状態です。
| モデル例 | ダウンロード容量 | VRAM 8GB | VRAM 12GB | VRAM 16GB |
|---|---|---|---|---|
| Qwen3 4B | 2.5GB | 収まる | 収まる | 収まる |
| Qwen3 8B | 5.2GB | 収まる | 収まる | 収まる |
| Gemma 3 12B | 8.1GB | 一部あふれる | 収まる | 収まる |
| Qwen3 14B | 9.3GB | 一部あふれる | 収まる | 収まる |
| gpt-oss-20b | 14GB | あふれる | 一部あふれる | 収まる(余裕は少なめ) |
| Gemma 3 27B | 17GB | あふれる | あふれる | 一部あふれる |
| Qwen3 32B | 20GB | あふれる | あふれる | 一部あふれる |
OpenAIが公開しているgpt-oss-20bは、公式の説明でも「16GBのメモリ内で動作する」とされています。VRAM 16GBのGPUは、この20Bクラスを試せるかどうかの境目です。27B以上のモデルは16GBでもすべては載らず、快適に使うにはさらに大きなVRAMが必要になります。
TITANのGPU別に見るVRAM
TITAN GamingのH17シリーズで選べるGPUを、VRAM容量で並べ直しました。VRAMはNVIDIAとAMDの公式仕様、価格は2026年9月27日に商品ページで確認した最安構成(メモリ16GB・SSD 512GB)です。
| GPU | VRAM | 無理なく試せる目安 | H17の最安構成 |
|---|---|---|---|
| RTX 5060 | 8GB | 8Bクラスまで | ¥153,000 |
| RTX 5070 | 12GB | 12〜14Bクラスまで | ¥263,000 |
| RTX 5060 Ti 16GB | 16GB | 20Bクラスまで | ¥242,000 |
| RTX 5070 Ti | 16GB | 20Bクラスまで | ¥397,000 |
| RTX 5080 | 16GB | 20Bクラスまで | ¥474,000 |
| RX 9060 XT 16GB | 16GB | 20Bクラスまで | ¥176,000 |
| RX 9070 XT | 16GB | 20Bクラスまで | ¥244,000 |
RTX 5070より、RTX 5060 Ti 16GBが向く場面がある
表で目を引くのは、RTX 5070(12GB)とRTX 5060 Ti 16GBの関係です。GPUのクラスはRTX 5070が上ですが、VRAMはRTX 5060 Ti 16GBのほうが4GB多く、価格は2万円ほど安くなっています。14GBのgpt-oss-20bは、12GBには収まりきらず、16GBには収まります。
ただし、どちらにも収まる小さめのモデルなら、メモリの帯域が広いRTX 5070のほうが速く返答する傾向があります。ゲームを中心に考えるか、載せたいモデルの大きさを優先するかで選び分けてください。
RTX 5070 Tiや5080は「速さ」への投資
RTX 5070 TiとRTX 5080もVRAMは16GBで、載せられるモデルの大きさはRTX 5060 Ti 16GBと同じです。上位GPUを選ぶ価値は、同じモデルをより速く動かせることと、高解像度のゲームや画像生成まで余裕を持たせられることにあります。
ローカルLLM向けの構成例
目的別に、H17シリーズから3構成を選びました。価格は2026年9月27日確認の最安構成です。

まず試したい人に:H17 RTX 5060(VRAM 8GB)
¥153,000(税込)
- CPU:Ryzen 5 5500
- GPU:RTX 5060(VRAM 8GB)
- メモリ:16GB DDR4
- SSD:512GB NVMe
- 8Bクラスのモデルまでが目安

16GBを最も手頃に:H17 RX 9060 XT 16GB
¥176,000(税込)
- CPU:Ryzen 5 5500
- GPU:Radeon RX 9060 XT(VRAM 16GB)
- メモリ:16GB DDR4
- SSD:512GB NVMe
- Ollamaの公式対応リストに掲載されたGPU

NVIDIAで16GBを選ぶなら:H17 RTX 5060 Ti 16GB
¥242,000(税込)
- CPU:Ryzen 5 5500
- GPU:RTX 5060 Ti(VRAM 16GB)
- メモリ:16GB DDR4
- SSD:512GB NVMe
- 20Bクラスまでが目安
価格・在庫・構成は変更される場合があります。オプションを変更したあとの総額は商品ページで確認してください。
Radeonを選ぶ場合、Ollamaは対応していますが、ほかのAIツールや画像生成ツールでは、NVIDIA向けの情報が先に出ることが多くあります。使いたいツールが決まっているなら、その公式ドキュメントで対応GPUを先に確認しておくと確実です。
メインメモリとSSDも見落とさない
メインメモリは32GBが安心
VRAMからあふれた部分や、ブラウザ・エディターなど一緒に使うアプリはメインメモリを使います。8GB級のモデルを動かしながらほかの作業も続けるなら、16GBより32GBのほうが余裕を持てます。TITAN Gamingでは、メモリ32GBを搭載したモデルも販売しています。
モデルを集めるとSSDはすぐ埋まる
Ollamaの公式ドキュメントでは、本体のインストールに4GB以上、そのほかにモデルの保存用として数十〜数百GBの空きが必要になると案内しています。8Bと14Bと20Bを1つずつ置くだけでも30GB近くになり、ゲームと同じSSDに入れると512GBはすぐに窮屈になります。容量の考え方はゲーミングPCのSSDは512GBと1TBどっち?で詳しく解説しています。
使い方別の選び方
| 使い方 | VRAMの目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| ゲームが主役で、ローカルLLMは少し試したい | 8GB | 8Bクラスで仕組みや使い心地を体験できる |
| 文章の要約・下書き・翻訳に日常的に使いたい | 12〜16GB | 14Bクラス以上だと日本語の応答が安定しやすい |
| 20Bクラスのモデルや、長い文章の読み込みを試したい | 16GB | gpt-oss-20bが収まる。コンテキストを広げる余裕は小さめ |
| 27B以上の大型モデルを快適に動かしたい | 16GBでも不足 | より大きなVRAMか、クラウドAIとの併用を検討 |
ゲームとローカルLLMを両立したい人には、VRAM 16GBのGPUが選びやすい着地点です。ゲーム用としても余裕があり、ローカルLLMでは20Bクラスまで視野に入ります。
購入前チェック
- 動かしたいモデルと、そのダウンロード容量を確認する
- モデル容量に1〜3GBを足して、必要なVRAMを見積もる
- GPUのVRAM容量を商品名と公式仕様で確認する(RTX 5060 Tiは8GB版と16GB版がある)
- 使いたいツールが、そのGPUに対応しているか確認する
- 一緒に使うアプリを考えて、メインメモリ16GBか32GBかを決める
- ゲームとモデルを合わせたSSD容量を見積もる
- 購入後は
ollama psで「100% GPU」になっているか確認する
よくある質問
ゲームをしながらローカルLLMを使えますか?
ゲームとモデルが同じVRAMを取り合うため、同時に使うとどちらかが遅くなります。ゲーム中はモデルを終了し、使うときだけ読み込むのがおすすめです。
インターネットにつながなくても使えますか?
ツールとモデルをダウンロードしたあとは、PCの中だけで処理できます。更新や新しいモデルの取得のときだけ通信が必要です。
ChatGPTと同じくらい賢くなりますか?
ゲーミングPCに載る大きさのモデルは、クラウドの最上位モデルとは規模が違います。要約や下書きなど用途を絞ると実用的ですが、同じ性能を期待するのは現実的ではありません。
Radeonでも動きますか?
Ollamaの公式ドキュメントでは、RX 9070 XT、RX 9070、RX 9060 XTなどが対応GPUとして掲載されています。ほかのツールを使う場合は、それぞれの対応状況を確認してください。
RTX 5060 Tiなら、どれでもVRAM 16GBですか?
いいえ。RTX 5060 Tiには8GB版と16GB版があります。ローカルLLMを目的にするなら、商品名に「16GB」とある構成を選んでください。
まとめ:載せたいモデルからVRAMを逆算する
ローカルLLMは今のゲーミングPCで十分に動きます。選ぶときは、動かしたいモデルの容量に余裕を足してVRAMを逆算するのが近道です。試すだけなら8GB、日常的に使うなら12〜16GB、20Bクラスまで見据えるなら16GBが目安になります。
用途に合う構成に迷ったら、TITANの構成診断で「生成AI・ローカルAI」を選ぶと、GPUメモリとメモリ容量を重視した候補を確認できます。
参考情報
- Ollama:Windows(システム要件・保存容量)(2026年9月27日確認)
- Ollama:GPU対応(NVIDIA・AMD Radeon)(2026年9月27日確認)
- Ollama:FAQ(コンテキスト長・ollama ps)(2026年9月27日確認)
- Ollama Library:qwen3(2026年9月27日確認)
- Ollama Library:gemma3(2026年9月27日確認)
- Ollama Library:gpt-oss(2026年9月27日確認)
- OpenAI:gpt-oss(GitHub)(2026年9月27日確認)
- NVIDIA:GeForce RTX 5060ファミリー仕様(2026年9月27日確認)
- NVIDIA:GeForce RTX 5070ファミリー仕様(2026年9月27日確認)
- NVIDIA:GeForce RTX 5080仕様(2026年9月27日確認)
- AMD:Radeon RX 9060 XT仕様(2026年9月27日確認)
- AMD:Radeon RX 9070 XT仕様(2026年9月27日確認)
- TITAN Gaming各商品ページ(価格・構成、2026年9月27日確認)